イゴール・ボブチャンチン(PRIDEの格闘家)ウクライナでの現在

総合格闘技における「世界最高峰の舞台」と言われたPRIDE。1997年に始まり、2000年代前半は大晦日に放送されるほどの人気を博した。
PRIDE設立後の1998年に北の最終兵器として剛腕を見せつけたイゴール・ボブチャンチンは、そのファイトスタイルとインパクトのある名前で未だにファンの記憶には新しい。
今回はボブチャンチンの現在を追い、今後の動向を調べてみた。


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ボブチャンチンの活躍したPRIDEについて

打撃・寝技ありの総合格闘技。

K-1と並んで2000年前後の格闘技ブームの火付け役となりました。

2007年まではドリームステージエンターテインメントという日本の組織が運営していましたが、日本での格闘技ブームが薄れていき始めてからは興行権はアメリカの組織に移行。

柔道のオリンピックメダリスト・小川直也や、元横綱のなどの大物も参加し、現在の30代前半~50代までは誰もが大晦日などに1試合は観ているというほど、社会的にブームになりました。

Youtubeでも多くの試合がアップされていて、いまだに再生回数が伸びています。

その中でも特に衝撃的な一撃K.Oがこちら。

*出典:Youtube

ファンならずとも、見入ってしまう名勝負が多いのが特徴で、PRIDEはK-1と比較してもKO率が圧倒的に高いというのが、また熱くさせるんでしょうね。

高田延彦桜庭和志ヴァンダレイ・シウバミルコ・クロコップグレイシー一族など、時を重ねながら新しい強者が登場していくのがまたストーリー性があって面白かったですね。

イゴール・ボブチャンチンのPRIDEでの活躍

b0033935_1282826*画像出典:gr1si.exblog.jp

ボブチャンチンはもともと陸上スポーツをやっていて、その後、ボクシング→キックボクシング、そしてレスリングなどで関節技などを習得しました。

ウクライナ出身ですが、ロシアンフックと呼ばれる強烈なフックを左右から繰り出し、1995年前後からロシアなどの総合格闘技大会に出場していました。

実はPRIDE参戦の前に、K-1のリングに立っています。

その時はアーネスト・ホーストにローキックでKO負け。

その後はPRIDEで活躍。

デビュー戦は強敵のグッドリッジ。パンチのラッシュでKO勝ち。
インパクトあるデビュー戦で、その後もアレクサンダー大塚桜庭和志にも勝利しています。

2000年のグランプリではマーク・コールマンに負けて準優勝でした。

山本KIDの元義兄で、KIDを格闘技に引っ張ってきたエンセン井上と、イゴール・ボブチャンチンの試合は、特に名勝負でしたね。

*出典:Youtube

エンセン井上は、この試合であごの骨、指の骨を折ってしまったばかりか、重度の脳震盪をおこしており、2日間も集中治療室に入っていたそうです・・

PIRDE以外の総合格闘技にも参戦していて、ボブチャンチンの生涯戦績は驚異の55勝10敗
*無効試合が1試合あり

日本人との対戦成績は10勝1敗。

しかもその1敗は生涯の最後の試合で、引退のきっかけになった試合で、それまで日本人相手には無敵の存在でした。桜庭にも勝っているので、如何に強かったか分かります。

ところで、ボブチャンチンは引退を表明していません。

腕の度重なる手術により、対戦が難しくなってそのまま試合をしなくなったそうです。

ただ、2005年の中村和裕に負けた後は、公式で試合をしていなくて、「リングに上がるつもりはない」と語っています。

現在のボブチャンチン

故郷・ウクライナで生活

現在は50代になるボブチャンチンですが、2008年に引退を表明し(実際に引退を決意していない)、その後はウクライナで生活しています。

試合に出なくなってからは、奥さんと娘さんと生活をしており、しばらく事業家として活動していました。
また、格闘技の試合で定期的にゲスト解説者としての仕事や、ウクライナの男女混合スタイルの格闘技のトレーニングコーチなどをしています。


*画像出典:https://www.sport-express.ru/

ボブチャンチンの事業はレストラン事業で、ウクライナの都市・ハルキウに「ファラオ」という飲食店を経営していたそうです。

また、狩猟が趣味のため、たまには狩猟を楽しみながらのんびり過ごしていました。


*画像出典:blog.livedoor.jp

↑イメージ

2016年、現在のボブチャンチン復帰の噂

2016年9月2日に「年末のイベントで復帰戦」とのニュースが流れました。

これまでトレーニングはしていたものの、本格的な練習を行い始めたそうです。(上の画像がその様子)

対戦相手は2005年8月に最後に対戦して負けた相手である中村和裕が有力でしょうか・・・

グッドリッジやマークコールマンあたりも面白そうだし、階級は全然違うけど現役の所英男なども面白そうですね。

また、この復帰をきっかけにもう少し活躍してほしいですね。

またボブチャンチンの現在の新しい情報が入り次第、更新します!

→ボブチャンチン、2016年も2017年も復帰せず!!

ミルコクロコップの優勝で終わったRIZIN。

その舞台でボブチャンチンも復帰するという報道が9月にありました。確かにありました!

しかし、2016年の年末ではテレビで観ることもなく、また、今後の復帰戦などの情報も皆無です。

調整が遅れたのか、、それともただの煽りだったのか・・・

また次回のチャンスで復帰を期待しましょう。

その後はまったく復帰の情報は出ておりません。

このままボブチャンチンは引退したとみて間違いないでしょう。

2022年、ボブチャンチンが慈善財団を設立!

引退してからもウクライナのハルキウにいたボブチャンチンですが、なんと、慈善財団を設立していることが分かりました。

ファラオという飲食店を経営していたボブチャンチンにとって、ハルキウの街がロシア軍に攻撃され続けるのは許せなかったのでしょう。

ハルキウのほとんどの家屋は廃墟となっており、ボブチャンチンのレストランも既になくなってしまった可能性が高いです。

ボブチャンチンは、子供たちも犠牲になってしまっているこの戦争を終わらせたい一心の様で、慈善財団を立ち上げました。
食料、衣料品、救援物資などを軍や市民、病院、孤児院に届ける毎日を送っているのだそう。

また日本で格闘技イベントに参加したいと語るボブチャンチン。

一日でも早く戦争が終わって、日本の格闘技をもう一度盛り上げてほしいですね。